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2026/05/26 19:46


前回の記事でペイント仕様のコラボ革軸ペンをなぜ販売することになったか詳しく紹介しました。


今回の記事ではSchicksal × TEAM ORAによるペイント仕様の革軸ペンがどのような工程を経て完成するのかをご紹介します。


目次

#1 コンセプトを決める

#2 革を切り出す

#3 ペイントを施す

#4 1枚の絵から切り出す

#5 コバ処理・磨き

#6 縫い穴を開ける

#7 軸に巻き付け縫い合わせる

#8 仕上げのコーティングを施す

#9 完成


#1 コンセプトを決める


今回は夏ということもあり、職人(TEAM ORA 藤原翔太)には「青を使って描いてほしい」とだけ伝えました。


あえて細かな指定はせず、そこからどのような表情が生まれるのかを楽しみにしながら制作を進めました。



#2 革を切り出す

まずヌメ革の切り出しから始まります。


革の状態をしっかりと見極めながら切り出す部位を選びます。


今回はペイントを施すため、より繊維の詰まっている部位を選んで切り出しました。



#3 ペイントを施す


切り出したヌメ革に、筆の先を使って少しずつペイントを施していきます。


一塗りで完成させるのではなく、筆先を細かく動かしながら、一本一本の線を重ねるように描き込んでいきます。




途中で色味を調整しながら、全体のバランスを見て少しずつ完成へ近づけていきます。



どの色を重ねるか、どこに余白を残すか、どれだけ書き込んでいくか。


その一つひとつが藤原翔太が長年培ってきた感覚によって判断されています。





こうして一枚の絵が完成します。

この状態で、半日ほどかけてしっかり乾燥させます。



#4 1枚の絵から切り出す

ペイントが完成した後、その中からペンとして使用する部分を切り出していきます。

一見簡単そうに聞こえますが、実は、この工程が革軸ペン全体の完成度を大きく左右します

革にはそれぞれ個性があり、柔らかさや厚みがそれぞれ微妙に違います。


軸に巻き付けるという構造上、全て同じサイズで切り出してしまうと、それらの影響で最後に大きな差がでてしまいます。


なのでここでは少し大きめに切り出し、軸パーツに当てながら0.1ミリ単位で調整しています。




#5 コバ処理・磨き



コバとは、革を切り出した断面のことを言います。

この工程では毛羽立った断面をきれいに磨き上げるコバ処理を行います。



この部分はペンにするとあまり見えない部分ですが、こういった細部の仕上げもしっかりとこだわって制作しています

#6 縫い穴を開ける

この工程では最初に専用の道具を用いて、縫い穴を開けるための補助線を引きます。



そして、その補助線に沿って、一つずつ穴を開けていきます。 



穴の位置がズレたり、斜めに打ち付けてしまうと、縫い上がりの印象に大きく影響するため、少しずつ慎重に進めていきます。

#7 軸に巻き付け縫い合わせる



穴あけが終わると、いよいよ縫い付けていきます。

縫う時のわずかな力の入れ具合で縫い目の仕上がりに大きな差が出ます。

糸を引いた時の革の伸び率も計算しながら縫い進めていきます。


私自身も革軸ペン制作を体験したことがありますが、この工程は特に難しかったです。

引く力が弱くて糸が緩くなってしまったり、針を通した時に革を傷つけてしまったり、縫い目の間から軸パーツが見えてしまったり…


この工程には、職人がこれまで培ってきた経験と感覚が特に表れているなと感じました。



#8 仕上げのコーティングを施す



縫製を終えた後、最後の仕上げとして少量のコーティング剤を塗布します。

これは表面を厚く覆うためのものではなく、ペイントが使用後すぐに剥がれてしまうのを抑えるための仕上げです。


コーティングをした後は1日乾かします。

#9 完成



こうして、一本の革軸ペンが完成します。

使い込む中で少しずつ表情が変化し、時間とともに新たな魅力が現れていく…


その変化を、永い時間をかけてじっくりと味わっていただければ嬉しいです。